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Unfinished Business

「仕事が困難な場合は、八方手を尽くせ。」(Foreman Golgar)
CheydinhalのFighter's Guild支部で昼時間、寝てから、Chorrolへは夕方に出立した。
Fighter's Guildの寝床は非常に快適である。Dark Brotherfoodの「聖域」のぼろベッドには二度と寝んぞ。
Chorrolに着いたのは、明け方だった。Fighter's Guild本部にはギルドつきの従士以外は、誰も居なかった。そいつの話によると、皆大体、朝の8時半から出勤してくるらしい。
そういうことならば、と、我輩は血を頂きに出かけ、隣のMage Guildで採血を済ます。

朝の8時半。Vilena Donton達が本部に現れた。
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Vilena Dontonは、最上階のギルドマスターのデスクで仕事をこなすのが普通のようだ。時折、本部にいるメンバーが彼女のところへ気さくに話をしに行っているところを見ると、マスターとしてかなり信頼され、好かれているようだ。
Unfinished Business_f0176229_002471.jpg我輩が現れたのを見ると、Vilena Dontonは優雅に挨拶してきた。
我輩も思わず、挨拶を返す。
「報告を聞きました。忙しくやっているようですね。良いことですよ。あなたに、ギルドのために仕事をしてもらおうと思っています。」
「何の仕事だ?」
Vilena Dontonは、おそらく昔はなかなかの美人だったに違いない。我輩は、彼女をゆっくりと観察したことが無かった。婆と判断した己のうかつさに、内心、舌打ちする。婆ではないな。中年の女性だ。
我輩が目をぎょろつかせて見ていたのか、それとも接近しすぎたのか、Vilena Dontonは一歩下がると、本題を切り出した。その態度には、敬服せんな。我輩も礼儀を心得ているとは言わんが。
「私たちは、兄弟であり家族です。」
兄弟?家族?どこぞの暗殺組合も同じ事を言うな。
「一人がおかしなことをすると、それが皆に飛び火します。喧嘩に酔っ払い、職務怠慢等もってのほか。」
職務怠慢をしている奴がいるらしい。そいつをぶっ殺すのか。本気でそう思った。
いかんいかん。どうも、Dark Brotherfoodの殺し屋の地が出てしまう。
「Modryn Oreynと話をして頂戴。これからは、彼が貴方に契約の話をすることになるでしょう。」

そのModryn Oreynは1階のフロアでOrcの戦士と談笑していた。どうやら、Froncois MotierreがDark Brotherfoodの殺し屋に殺されたらしい。ふむ。
このDunmerは、立ち居振る舞いからして只者ではないことが分かった。もし刃を交えるすると、今の我輩では敗北は必至だろう。
Unfinished Business_f0176229_0153960.jpg「何の用だ?見たところ、任務が欲しいって顔をしてやがるな?あん?」Modryn Oreynは、Vilena Dontonと全く正反対の人物のようだ。
「Vilena Dontonから話が来た。」
Modryn Oreynの眉間のしわが深くなり、彼の体からものすごい殺気が放出された。Dark Brotherfoodの連中からも感じられなかったものだ。思わず武器の柄に手を掛けかけた。
「次に、同じ口の利き方をすれば、分かっているだろうな?ん?」Modryn Oreynから、波が引くように剣気が引いていった。
「失礼した。」
「よし。礼儀を心得るのは、敗北ではない。お前にやってもらいたいことがある。」
「任務の内容は何だ?マスターからは、Oreynさん、あんたに話せと聞いただけだからな。」
「Maglirという野郎がいる。貴様と同じ屑だ。だが、貴様と違って怠け者の木登りエルフだ。ああいうのが出るとな、我々全体の評判が下がる。奴はSkingradでの契約を終えていない。別に驚くこっちゃないがな。奴は未熟者だ。貴様と同じようにな。行って、奴がどこで油を売っているのか確かめろ。場合によっちゃ契約を遂行させるんだ。」
未熟者か。かもしれん。旅人同士の乱闘後に、普通では手に入らない装備を横から掻っ攫って喜んでいるレベルだからな。我輩は。
「誓ってもいいが、貴様らのような靴の底についているゴミ屑は、すぐに払い落とせるんだ。いいか?己の立場が分かったら、とっとと行け!!!」
我輩は、Modryn Oreynに追い出されるようにしてGuild本部から出た。
ここまで、言われると逆にさわやかになるぐらいだが、我輩の中ではすさまじい殺気が渦巻いていた。誰かを殴らねば収まらん。

ChorrolからSkingradまでは、街道を通ると2日はかかるが、街道を無視してまっすぐ南下すればほぼ1日の行程だ。現在は、太陽が出ているため、我輩のvampireの能力が発揮されづらいが、それでも時間の短縮にはなるだろう。途中で、太陽を避けるための洞窟か廃墟かに潜り込む必要はあるだろうが。

Chorrolから出てしばらくすると、いきなり襲い掛かられた。
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毎度の刺客様のおなりか。
そいつから血を奪って血祭りにあげる。これで、半日分は確保できた。

Skingradに着いたのは、夕闇が夜に舞台を譲る時だった。
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街の近くでは、女の帝国兵と運び屋らしきOrc女が争っていた。何かの取締りだろうか。帝国兵は、運び屋を切り倒すと、巡回に戻る。我輩は運び屋から荷物、装備、武器を頂く。帝国の治安の悪さは、日を追って悪化しているというのが、女帝国兵の話である。帝国中を闇が覆っているという。「衛兵もそこらじゅうで殺されているし。貴方も気をつけなさい。何かあったら、助けを呼ぶといいわ。」
それはそれは、ご親切に。しかし、姐さん、衛兵殺しの半分は我輩の仕業でございますよ。
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Skingradの街は、夜になると人通りが極端に減る。衛兵の巡回もあるが、そこらで強盗やら何やらがでるらしい。おまけに、いかにも頭がおかしくなったと思われるBosmarが、バトルアックスを振り回して叫びながら道を走り去っていった。
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そのBosmerは教会裏で御用になったらしい。

この街を支配しているのは、Hassildorとかいう伯爵だが、彼について、我輩は正体を知っている。vampireだ。これはVicente Valtieriの情報である。「Skingradの伯爵は、見た目どおりではありません。夜を楽しんでいるのは我々だけではないということだけ、言っておきましょう。」

Maglirの居場所は、Fighter's GuildのSkingrad支部だろうと思って、訊ねてみたが、彼の姿は見当たらなかった。
Unfinished Business_f0176229_0463048.jpg我輩に居所を教えてくれたのは、ParwenというBosmerの女archerである。彼女は、1度我輩の毒牙にかかっている。「Maglir?彼なら、West Weald Innにいるはずよ。契約がどうのこうので、自棄酒を飲んでるみたい。もう、何日もたってるわね。」
「世話になったな。」
「Chorrolで何か言ってたの?」
「奴のケツを蹴り飛ばして来いとな。」
「あら。じゃぁ、思いっきりしないと。」
聞けば、ここの支部ではgoblin退治の依頼が多く、このParwenを含め、帝国人のFadus Calidius、ArgonianのBlademasterの3人はあちこちgoblin退治へ出ていてMaglirを援助する余裕が無いらしい。
「それにしても。」とCarwen。「任務が一人で出来ないなら、Chorrolにそう言えばいいのに。また、Modryn Oreynがカンカンになってるわね。」
既になっている。

West Weald Innはギルドホールから道を挟んだ対角線上にあった。
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West Weald Innは、高級旅館だった。そこの酒場に一人の鎧を来たBosmarがいた。Maglirだ。宿の女将は既に寝床についているのに、彼はビールのジョッキとにらめっこをしている。
Unfinished Business_f0176229_116992.jpg「・・・・・・・。何だ?てめぇは?」
「Chorrolから来た。お前がMaglirか。」
「そうさ。俺がMaglirだ。Chorrolってことは、Modryn Oreynかよ。俺を見つけるよう送られてきたってわけか。」
「契約はどうなっている?」契約をやらずにほったらかすなんぞ、Dark Brotherfoodならば、戒律違反で、Wrath of Sithisが来るぞ。裏社会のゴキブリ集団でも守るルールを、この男は守らないわけだ。
「契約!?いや、別に放棄したわけじゃないんだ。割に合わないって言ってるんだ。あんたも言ってみたら分かる。俺は、家族もいるんだ。あんな仕事であの報酬は、割りにあわねぇ。」
「どうする気だ?」
「そうだな・・・。どうだい?あんた、俺の契約をやっちゃうってのは。報酬もあんたのものだ。仕事はBrenus Astisの日記を探し出すってもんだ。場所は調べがついている。Fallen Rock Caveって洞窟にある。」
「貴様は来ぬのか?」
「俺がぁ!?冗談じゃねぇ。俺や嫌だ。あんなところ、命がいくつあっても足りねぇぜ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
腰抜けは足手まといになる。無理やり引きずっていこうかと思ったが、やめた。引きずっていくなら、男よりも女だ。
出かける前に、宿屋の女将の血を頂戴した。
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Fallen Rock Cave派Skingradから遠くない場所にあるらしい。
血も吸ったし、あとは思う存分暴れるだけである。

Fallen Rock Caveは、アンデッドの巣窟になっていた。骸骨、幽霊、ゾンビ・・・・。
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おおっと・・!!
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ゾンビどもは、その緩慢な動きと裏腹に力が強い。
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目指す日記は、最深部にあった。最深部は水浸しで、カニやらが生息していた。Maglirが嫌がった理由は、幽霊か?たしかに、ああいうアンデッドは通常の金属を使った武器が効かない。mithril製かdaedric製、もしくは魔力のかかった武器でしか倒せない。だが、mithril製の武器なら店で売っている。買えばよいだけの話だ。
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日記の内容は、Mud CrabやGoblinの事などが書いてある、生態誌だった。
Maglirは、我輩の仕事にして良いといった。ならば、報酬は我輩のものでよかろう。
働かざる者、食うべからず。
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一応、Maglirにも確認を取っておいたほうがよかろう。
我輩はSkingradへ戻った。
が、その途端、ガードに捕まった。容疑は、他人への攻撃である。通報したのはMaglirだった。
あの野郎、我輩が血を吸うのを横目で見ていたのか。
「さあ、罰金を払うか、牢獄で刑期に服するか。どちらかを選べ!!このアウトローめ!!」
「3番目の選択肢を選ばせて貰おう。」
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Skingradの市民は、おそらく翌朝に、血液を奪われ、装備を剥ぎ取られた素っ裸のガードの死体が、城門の前に転がっているのを見ることになるだろう。

我輩は、もはやあのBosmerの顔も見たくなくなった。そのまま北上して、Chorrolへ向かおうと思ったが、早くても昼ごろに着くはずだ。となると、vampireである我輩にとっては甚だよろしくない。
結局、Skingradの城門を開けた。
Maglirに一太刀浴びせずにはいられなかったので、West Weald Innへ向かう。
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酒場では、Maglirが突っ立っていた。
「どうだったい?」
「どうもこうも無いぞ?Maglir。」
「よしてくれよ。俺の血はまずいぞ?やめてくれ!!助けてくれ!!!」
Maglirの頭に、衝撃が走った。
我輩がAntusの日記でMaglirの頭を殴ったからだ。
「ああ。日記を見つけたのか。」
「安心しろ。お前の血なんぞ欲しくは無い。」
我輩は、Maglirの返事を待たずに、酒場を出た。刀の錆にする価値も無い。それに、吸血の場を見られた我輩もうかつだったのだ。我輩は、日記で己の頭を叩きながら、ギルドホールへ向かう。
休息が必要だ。
# by Razor-Tooth-Snake | 2009-11-04 01:34 | 第34話